居酒屋をはじめ、バーや飲食店が立ち並ぶ天満市場界隈から少し外れたところ、池田町の一角にトムントコはある。天満界隈では良く見かける店前を半透明のビニールシートで覆った店だ。西日を避けているのだろうか。そのため、道路からはここがトムントコだと分かりづらい。シートの横をすり抜けるように扉の前に行き、中に入った。

　トムントコは、ランチタイムとディナータイムがある。大阪・天満で本格カレーが楽しめるお店なのだ。ランチは自慢のカレー＆ライスのみ。南インドで修行したマスターが創り出すその味は、病みつきになる味でもある。夜はスパイス感あふれる一品と酒が楽しめる。世界のビールや各種カクテル、ドラフトはエビス生。これからはワインもオーガニックを中心に充実させていきたいとの構想もあるようだ。ランチで売り切れてなければ、夜もカレーにありつくことができる。小さい盛にもしてくれるので、女性客にはうれしい限り。

　オープン当初は、他店に習って喫煙可能にしていたのだが、2017年2月に思い切って禁煙にしたそうである。タバコを吸わないマスター自身がタバコの煙が辛くなって来たのだ。食事中のお客さんの横で、新たに入ってきた客がプカプカとタバコをふかすのを目にする度に、「店としての姿勢」が気になっていたという。禁煙にしたことで売り上げへの影響のことを聞くと、それほどの繁盛店ではないので大きく変わりませんよと謙遜するも、禁煙にしたことでアルバイトスタッフが喜んでいたり、閉店後の片付け時にタバコ臭さが無くなったことは何よりだったと、結果には満足しているようだ。意外にも、喫煙者の常連も不自由だが仕方ないと、外のスペースでの喫煙に協力的なことや、禁煙になったおかげで、吸う本数が減って良かったよ、なんて声も聞かれるそうである。