Quemlin Pick Up vol.10

美味しいケムランに、ようこそ!

ほやほや屋

宮城県塩竈市北浜1-1-7 TEL 022-355-6106
本塩釜駅から228m
営業時間/ 11:30 ~13:30  18:00 ~ 21:30(夜は完全予約制) 日曜営業
定休日/火曜日

塩竈神社の近くに店を構える「ほやほや屋」。
名前通りの「ほや」が名物の、ちょっと変わった人気店だ。

宮城県塩釜市、JR 本塩釜駅から徒歩10 分弱。宮城県の一宮である鹽竈神社のふもとに、ほやほや屋はある。ほや料理の写真が印象的な看板と、ほや料理ののぼりが出迎えてくれる。民家を改装した店内で、靴を脱いでつろぎつつ、オリジナルのほや料理を楽しめる。
お昼は中華を中心にした一品メニュー中心。夜は完全予約制のほやのしゃぶしゃぶコース。この季節のランチは、「ほ」やし中華が人気だそう。ほやが苦手な人には、五目焼きそばや、カレーライス(金曜のみ)もある。しかし、ほやに尻込みしていたお客さんも、いつの間にか食べられるようになって帰っていくそうだ。お米好きな特派員は、ほやチャーハン、そしてお店イチオシの、ほや春巻き、そしてほや唐揚げをチョイス。店主イチオシのほや唐揚げからいただく。下味を一切つけず、衣だけまとわせて揚げるので、ほやの磯の香りがダイレクトに伝わってくる逸品。今年のゴールデンウィークに開催された、ほやレシピコン

テストでもグランプリを獲得した、自慢の品だ。春巻きは、ほや・大葉・チーズの相性バッチリであとを引く美味しさ。パラりとした仕上がりのチャーハンは、刻みほやがふんだんに使われた贅沢な逸品。塩釜で30 年以上中華料理店を営んだ料理人の腕が光る。ほか、チャンジャや老酒漬など、酒のアテに嬉しいメニューも。店内は席数8席と、決して大きくはないので、事前に予約するのが確実だ。
宮城県から岩手県南部のリアス式海岸は、プランクトンが豊富で、昔からほやの漁場であった。しかし、震災後、主要輸出国だった韓国は、日本からのほや禁輸を決断する。本業がかまぼこ屋である店主・佐藤文行さんの元に、余ったほやをなんとかできないか、漁業関係者が泣きついた。佐藤さんは、ほやメンチなどを開発した。しかし、年間7700 トンものほやを活かすには、消費拡大につながるムーブメントを作らなければならない、と考えた。これまで、地元でも、生や酢の物などでしか食べられてこなかったほや。ほや料理の可

能性を広げ、発信したい。そこで、アンテナショップとして、ほやほや屋を2017 年にオープンした。店で提供されているほやは、石巻の雄勝の漁師から直接仕入れている。料理はラーメン以外はテイクアウト可。むきほやなど加工品を購入することもできる。これまでマスコミでも取り上げられ、今では遠く山口県からも、新感覚のほや料理をめがけてお客さんが訪れている。
佐藤さん自身が非喫煙者であること、禁煙化が進む時代の流れを受けて、お店はオープン当初から禁煙。「ここに来た時くらい、たばこよりも、ほやを楽しんでほしいな」と佐藤さん。ほやほや屋を起点に、現在は県内外の料理人や食材業者とのコラボレーションも活発だ。ほやを使ったイタリアン、地元ワイナリーとのコラボイベントなど、まさにほやの水平展開に勤しんでいる。ほやの繊細な磯の香り、ぜひクリーンな空間で味わってほしい。